ようばけ
秩父郡小鹿野町下小鹿野
小鹿野町指定天然記念物
昭和37年9月20日指定
奈倉地内を流れる赤平川の右岸に白い岩肌を見せる大きな崖があり、この崖を「ようばけ」と呼んでいる。ハケは、崖のことで、陽(日光)のあたる様子から名付けられたと伝えられている。高さ約一〇〇m、幅約四〇〇mにわたる地層の大露頭で周囲の自然と調和し、見事な景観をつくっている。
この崖は、当地の基盤である第三紀層が赤平川によって侵食されたもので、秩父町層群奈倉層と呼ばれる地層からなる。その地層の年代は、今から約一,五〇〇万年前の新生代第三紀中新世である。当時の日本列島の大部分は海となり、奥秩父の山すそまで海が広がり、泥岩・砂岩・れき岩・凝灰岩からなる第三紀層が形成された。この地層は、埼玉県内の盆地や丘陵に分布し、クジラやサメなどさまざまな化石が見つかっている。「ようばけ」の地層も比較的浅い海の中で、主に泥がたい積して形成されたものである。
地層の露出状況は、全国でも有数の規模を誇り、地質学上からみて貴重なものであり、重要な見学拠点となっている。昭和五二年三月には、県自然環境保全地域に指定され保全が図られている。
また、同じ地層が分布する般若地内からは、大型哺乳類のパレオパラドキシア化石が昭和五六年に発見され、注目されている。
化石の語る海
「ようばけ」が形成された当時の気候は温暖で、秩父の山すそに暖流が流れていた。海底にはサンゴやウニなどの生物がすみ、沖合いには体長数mのヒゲクジラが群れをなしていた。時折、カルカロドンメガロドンという体長十m以上に達する巨大ザメが出没し、クジラやパレオパラドキシアなど海の生物たちをおびやかしていた。
おがの化石館
【ブログ記事】
'08 1/25